できる社員はここが違う!現場で見た“気がきく力”の正体

「同じ仕事をしているのに、なぜか評価される人とそうでない人がいる。」
製造業の現場で働いていると、そんな疑問を感じたことはありませんか?

実際に25年以上現場を見てきた経験から言えるのは、できる社員は“気がきく力”が圧倒的に高いということ。

この記事では、現場で見た具体的な行動例や、逆に「仕事ができない人」の特徴、さらに“気がきく力”を鍛える方法まで解説します。

目次

結論|できる社員は「気がきく力」がずば抜けている

現場で多くの人を見てきましたが、伸びる人には共通点があります。
それは「気がきく力」。安全や品質、効率の面でも大きな違いを生み出します。

製造業の現場で25年以上働き、今は管理職としてチームを率いています。
その中で「この人は必ず伸びる」と感じる社員には、ある共通点があります。

それは気がきく力です。

気がきく力とは、単なる優しさや配慮ではなく、相手や現場全体を先読みし、必要な行動を迷わず取る能力のこと。
この力がある社員は、安全・品質・効率のすべてで結果を出し、周囲からの信頼も厚くなります。

なぜ「気がきく力」が現場で求められるのか

製造業の現場は、一つの判断や行動が大きな影響を与えます。
ここでは、なぜ気がきく力が安全・品質・効率に直結するのかをお話しします。

製造業の現場では、わずかな遅れや判断ミスが大きな損失につながります。
気がきく社員は、その損失やトラブルを未然に防ぐ存在です。

こうした能力は、現場の安定稼働に直結します。

安全面:危険予知(KY)が自然にでき、事故を防ぐ
品質面:異常の兆候を察知し、不良品を流出させない
効率面:必要なものを先回りで準備し、ムダな待ち時間をゼロにする
信頼関係:上司や同僚から「任せても大丈夫」と評価される

例え話でわかる!気がきく人とそうでない人の差

気がきく人とそうでない人の違いは、ほんの小さな行動で表れます。
パティシエの「イチゴを持ってきて」という場面を例に、その差をわかりやすく解説します。

パティシエが部下に「イチゴを持ってきて」と頼んだときの行動を想像してみてください。

チェックポイント
  1. イチゴを持ってくるだけの人
  2. パックのフィルムを剥がして持ってくる人
  3. イチゴを持ちながら包丁とまな板も一緒に持ってくる人
  4. 言われなくても③を自然にやってくれる人

③や④の行動ができる人が、現場でも「できる社員」です。
こういう人は、信頼され、評価され、必ず成長します。

現場で見た「できる社員」の具体例

できる社員は、頼まれたこと以上の行動が自然にできます。
私が実際に見て「これは信頼できる」と思った行動を紹介します。

こういう人がいるだけで、職場の雰囲気も生産性も大きく変わります。

できる社員
  • 頼まれたこと+αで行動する
     例:「改善点があったので、ついでに直しておきました」
  • 材料補充や道具の準備を先回りで実施
  • 新人や不慣れな人に安全・品質のポイントをさっと教える
  • 自分の作業だけでなく、全体の流れを見ながら動く

製造業での「気がきく人」の特徴

製造業の現場は独特のリズムがあります。
そこで光る「気がきく人」の行動には、いくつか共通点がありました。

これらは、どれも“現場を止めない”ために不可欠なスキルです。

製造業での特徴
  • 段取りが早い:作業前に必要な部品・工具・治具を整える
  • 安全第一:危険予知や安全確認が習慣化
  • 異常察知力:音・匂い・振動など微妙な変化にすぐ反応
  • 全体最適志向:前後工程の状況まで把握
  • 工程を止めない工夫:材料補充や次工程への受け渡しを先回り
  • 自然な声かけ:必要な情報をタイミングよく伝える
  • 雰囲気を和らげる力:忙しい時ほど落ち着いて対応

「仕事ができない」中堅社員の特徴

一方で「自分はできる」と思い込んでいても、実際は周囲から信頼を失っている人もいます。
ここでは、現場でよく見かける“仕事ができない人”の特徴を整理しました。

本人は「自分はできる」と思っていても、周囲からは信頼されない典型例です。

仕事できない方の特徴
  • 他人をライバル視し、残業時間で勝とうとする
  • 他人の悪口や足を引っ張る
  • 勝手に他人の勤務や残業時間をチェック
  • 自分アピールばかりでチームを考えない
  • 他人が休むと「自分ならやる」と無意味なアピール
  • 会議で欠点ばかり指摘し、改善策を出さない
  • 他人を信用できず、自分だけ残業過多
  • 人事評価に文句や難癖ばかり
  • 他人の意見を受け入れない
  • すぐ感情的になる
  • 自分がいないと仕事が回らないように仕向ける・そう考える
  • 直前で断る・キャンセルする・休む

気がきく力を鍛える方法

気がきく力は、生まれつきの才能ではありません。
毎日の習慣で誰でも伸ばすことができます。
私自身も、ここで紹介する方法を意識してきました。

日々の積み重ね
  • 観察習慣:朝の3分で「誰が何をしているか」確認
  • 先読み癖:「この後何が必要になるか」を常に考える
  • 質問力:「今やっておいたほうがいいことはありますか?」と聞く
  • 振り返り:日報やメモで、自分の行動を分析する

管理職としてできること

気がきく社員を育てるには、管理職の関わり方が大きなカギになります。
ここでは、私が実際に意識している育成の工夫を紹介します。
手間はかかりますが、少しずつ確実に変わっていくのを感じています。

管理職として
  • 良い行動はすぐに褒める(即時フィードバック)
  • 良い事例を共有し、文化として定着させる
  • 行動の背景を言語化させ、再現性を高める
  • ペア作業やOJTで観察力を鍛える場を作る

本音を言えば、気がきく人材は“絶対に手放したくない存在”です。
評価は自然と上がり、将来会社の中心になることが多い。
だからこそ、私はそういう人に自分の知識や経験を惜しみなく伝えます。
また、このような人材は経験を積ませるために他部署へ異動することも多く、会社幹部もその価値を敏感に察知しています。

まとめ|気がきく力は“現場の潤滑油”

仕事ができるかどうかは、男性・女性・若手・中堅は関係ありません。
ぶっちゃけると、気がきく人は人に優しい行動ができ、責任感があります。

資格や年数も大事ですが、現場を動かすのは「気がきく人」です。
この力は特別な才能ではなく、日々の習慣で誰でも鍛えられます。

明日から、頼まれたことにもう一歩プラスする意識を持ってみてください。
その一歩が、あなたの評価も現場の空気も大きく変えてくれます。

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この記事を書いた人

現場・生産技術・法人営業・マネジメントを経験。
机上の空論ではなく「現場で役立つ知見」を発信。
・昇格したばかりの課長としての奮闘記
・現場改善・AI活用の実践例
・人間関係・キャリアの悩みへの具体的な解決策
・介護と仕事の両立経験からのリアルなヒント

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