「俺についてこい」では人が動かない時代になりました。
権力や肩書きだけでは信頼は得られず、納得できなければメンバーは行動しません。
特に製造業の現場では、日々の納期対応や顧客要望に追われ、成長を感じにくい環境があります。
だからこそ、リーダーには 共に考え、耳を傾け、そして背中を押せる存在 であることが求められます。
- なぜ従来のリーダー像が通用しなくなったのか
- 信頼されるリーダーに必要な3つの姿勢
- 製造業の現場で実際に起きた具体例と対応方法
- 「エースで4番」でなくても信頼を得られる理由
- 本気で叱ることの意味と世代間の信頼関係
- 継続力こそ最強の武器である理由
リーダー像はもう変わった

かつてのリーダーは「肩書き」と「権力」で人を動かしていました。
しかし今は違います。
- 「俺についてこい」では人は動かない
- 納得できなければ行動しない
- 無理に押し切れば、優秀な人材から辞めていく

これからの管理職に必要なのは、現場と対話し、共に考える姿勢です。
信頼されるリーダーに必要な姿勢

信頼を集めるリーダーには、次の3つの力が必要です。
項目 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
対話力 | 「一緒に考えよう」と寄り添う | 相手の本音を引き出す姿勢 |
柔軟力 | 「こっちの道もある」と選択肢を示す | 多様な解決策を提示できる |
決断力 | 「これでいこう」と背中を押す | 最後は方向性を示す覚悟 |


製造業の現場で実感したリーダー論

製造業では、日々の顧客納期対応に追われ、メンバーが成長を実感できないことも多いです。
だからこそ私は、小さな成功体験を積み上げる工夫をしています。
- 相談や提案は必ず「目を見て最後まで聞く」
- 途中でさえぎらず、経験に基づいて共感する
- 成果が出にくい現場でも、成長を一緒に実感できるように導く

感情的に「辞めます」と言う社員への対応
現場では「もう辞めます」と感情的に言う社員もいます。
一見すると突発的に聞こえますが、そこまで言うのには必ず理由があります。
背景にある理由 | 具体例 |
---|---|
職場環境の不満 | 設備・作業環境が整っていない |
人間関係のストレス | 上司や同僚との摩擦 |
業務量の過多 | 納期や残業のプレッシャー |
リーダーはその声を無視せず、最後まできちんと話を聞いて内容を把握することが大切です。
さらに、提案をしてくれる社員もいます。
その意見は、単なる個人の考えではなく、現場全体を代表する声であることも多いのです。
リーダーが耳を傾け、真剣に受け止めることで――

そして実感したのは、強いのは結局「辞めない人」「止まらない人」だということです。
「エースで4番」の監督は必要ない

リーダーは「一番できる人」である必要はありません。
大切なのは、一番優秀なメンバーに『この人の下で頑張りたい』と思わせられるかです。
- 自分がエースで4番である必要はない
- チーム全員が戦いやすい環境を整えることこそリーダーの役割

本気で叱れる大人が必要だ

社会人であれば、多くの人が経験しているでしょう。
「お前は使えねえ!」と言われていた人が、上司が変わった途端に「君のパフォーマンスは素晴らしい」と評価されることがあります。
つまり、評価は所詮「雰囲気」や「関係性」に左右されるものでもあるのです。
だからこそ、リーダーには「叱る」と「怒る」の違いを理解する力が必要です。
区分 | 特徴 | 相手に与える影響 |
---|---|---|
怒る | 感情をぶつけるだけ | 萎縮・不信感を生む |
叱る | 相手の成長を願って伝える | 信頼・学びにつながる |
今の若い世代にとって、本気で叱ってくれる大人は親くらいしかいないという現実があります。
パワハラ・アルハラといった言葉が広まり、他人のために本気で叱る人が減っているのです。
本気で叱られることは「期待されている証」でもあります。
叱ってくれる大人がいるのは、その人が「叱るに値する存在だ」と判断されているからです。
一方で、シニア世代は「自分の若い頃」を押し付けるのではなく、相手の立場に立ち、社会情勢を踏まえた 思いやりある言葉 を選ぶことが大切です。

世代間の信頼関係が築ければ、日本の未来は明るい。
逆に、対立や不信感が強まれば、未来は暗くなってしまいます。

継続力こそ最強の武器

才能やセンスがあっても、続けなければ結果は残りません。
逆に、淡々と続けた人が「何者か」になっていきます。
- 走り続けなくてもいい
- のらりくらりでも「辞めない」「止まらない」ことが大切
- 変化の中でも続ける人が最強のリーダーになる
リーダーは、現場で共に走る「伴走者」であるべきなのです。

まとめ リーダー像はもう変わった

リーダー像は大きく変わりました。
「肩書きや権力で人を動かす」のではなく、共に考え、耳を傾け、背中を押すリーダーが信頼される時代です。
さらに、世代を超えて信頼関係を築くには「本気で叱る力」が欠かせません。
- 小さな成功体験を積ませる工夫
- 感情的な声を最後まで聞く姿勢
- 世代間の絆を意識した本気の叱り方
- チームを信じ、続ける力
これらを大切にすることで、現場は強くなります。
リーダーは「一番できる人」ではなく、「一番信頼される人」であれば十分なのです。

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