電子工作では、クリームはんだの使い方が作品の完成度を大きく左右します。
ただ部品をくっつけるだけの材料ではなく、
仕上がりの美しさ・接続の安定性・部品寿命 に関わる重要な存在です。
- どのクリームはんだを選べば良い?
- どう塗ればブリッジせずきれいに仕上がる?
- リフローとハンダごてはどう使い分ける?
- 保存ってどうすれば品質が落ちない?
この記事では、初心者でも迷わず扱えるように
結論 → 比較 → 手順 → 実践 → 安全・保存 の順でわかりやすく解説します。
クリームはんだの選び方と準備

▼ 粒径タイプ(Type4 / 5 / 6)の比較
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| 粒径タイプ | 主な用途の目安 | 対応部品サイズ | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| Type4 | 一般的な電子工作・量産 | 0603サイズ程度まで | 扱いやすく万能 | 初心者はまずこれが最適 |
| Type5 | 微細パッド・超小型部品多め | 0603より小さいチップ | 精密印刷に強い | 温度管理がシビア |
| Type6 | 極小・高密度専用 | 極小チップ・超微細パターン | 超精密向け | コスト高・条件設定が難しい |
▼ 合金組成(SAC305など)の違い
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| 組成 | 呼び名 | 融点目安 | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|---|
| Sn-3.0Ag-0.5Cu | SAC305 | 217–219℃ | 最も一般的で情報が多くバランスが良い | 初心者・汎用 |
| Sn-1.0Ag-0.7Cu-Bi,In | 低銀 | 211–222℃ | コストダウンしやすい | 材料費を抑えたいとき |
| Sn-0.7Cu-0.05Ni-Ge | 銀レス | 約227℃ | 銀なしでコスト安だが条件最適化が必要 | 試験可能な環境・業務での検証向け |
クリームはんだ印刷の基本


▼ クリームはんだ印刷の3ステップ

パッドの穴位置をズレなく重ねて固定
クリームはんだをローリングさせながら押し込む
パッド上に四角く均一に残っていれば成功
印刷を安定させる3つのコツ
| 重要ポイント | 理由 |
|---|---|
| マスクと基板を密着させる | 浮くとにじみ・はみ出しの原因 |
| スキージ圧を一定にする | 強すぎても弱すぎてもNG |
| 清潔な環境で作業する | 油分・ホコリが濡れ不良の最大原因 |

正しい加熱方法(リフロー & はんだごて)
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温度プロファイルの理解

基板全体をゆっくり温め内部温度差をなくす
はんだが完全に溶け、濡れ・接続が完了
急冷しすぎず固めて強度を安定化
▼ リフロー加熱 vs はんだごて加熱の比較

| 項目 | リフロー加熱 | はんだごて加熱 |
|---|---|---|
| 向く場面 | 多数・複数枚製作 | 少量・修理・試作 |
| 温度管理 | プロファイルで制御 | 手作業で調整 |
| 作業性 | 一度に全体を均一加熱 | ピンポイントで加熱 |
| 注意点 | 条件設定が重要 | 熱を当てすぎると部品破損リスク |
クリームはんだの保存と品質維持

▼ 保存チェックリスト表

| チェック項目 | 内容のポイント |
|---|---|
| 温度管理 | 冷暗所・多くは冷蔵保存 |
| 密閉状態 | フラックスの乾燥と酸化を防ぐ |
| 室温戻し | 結露してから開封すると劣化防止 |
| 使用期限 | 基本は期限内使用 |
| 外観チェック | 分離・変色・ボソボソなら交換推奨 |
▼ 趣味用途と業務用途の線引き

| 用途 | 許される範囲 | 注意点 |
|---|---|---|
| 趣味 | フラックス追加で粘度調整など応急処置可 | 自己責任、重要回路には非推奨 |
| 仕事 | 新品・期限内のクリームはんだのみ使用 | 再生・延命はNG |
安全管理(最低限ここだけ守ればOK)
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| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 換気 | 煙を滞留させない・集煙機が理想 |
| 保護具 | ゴーグル・マスクで吸い込みと目を保護 |
| 手洗い | フラックス成分を残さない |
次の電子工作で活かすコツまとめ

クリームはんだを正しく扱えるようになると、作品の完成度が一気に高まります。
せっかく習得した知識を使い切るために、次のポイントを意識してみてください。
・材料選びは「組成 × 粒径」をセットで考える
・塗布は“キレイより正確”を意識する
・加熱は温度の上げ方より「温度の管理」を意識する
・長期保存は冷暗所+室温に戻してからの開封を習慣にする
・安全対策は「換気・保護具・局部排気」の3つだけ守ればOK
クリームはんだは特別な人だけが扱える技術ではありません。
正しいポイントさえ押さえれば、誰でもプロのような仕上がりを実現できます。
あなたの次の電子工作が、今回手に入れた知識でさらに楽しく、さらに美しく仕上がりますように。
この内容を押さえれば、ハンダ付けの仕上がりは必ず一段上がります。
Q&A(初心者がつまずきやすいポイント)
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- 最初に買うならどのクリームはんだ?
-
SAC305 × Type4 が最も無難で情報も多い
- ブリッジしやすいのですが?
-
マスク密着・スキージ圧・清掃を最優先で見直す
- リフロー機がないのですが?
-
ホットプレート/トースターでも可能。温度の上げすぎに注意
- 保存期限を過ぎたクリームはんだは?
-
仕事用ならNG、趣味用なら少量テストして自己判断

最後に
クリームはんだは、慣れてくると「作品づくりが楽しくなる」道具です。
- 精度が上がる
- 美しさが変わる
- 作品が長持ちする
小さな違いの積み重ねが、“プロ級の仕上がり” へ近づく一歩。
ぜひこの記事をきっかけに、電子工作のレベルアップを楽しんでください。

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