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手はんだ付け用フラックスの選び方と使い方|種類別特徴を徹底解説

「はんだが弾いてうまくつかない」「イモはんだ(ダマ)になってしまう」 こうした悩みの多くは、実はフラックスの選び方と使い方を見直すだけで解決できます。

しかし、フラックスには成分(ロジン・水溶性)や形状(ボトル・ペン)など種類が多く、どれを選べば良いか迷ってしまうことも多いはずです。 本記事では、手はんだ付けを成功させるための「フラックスの基礎知識」から「失敗しない選び方」までを、初心者にもわかりやすく解説します。

この記事の目次(クリックでジャンプ)

手はんだ付けにフラックスが必要な理由

高品質なはんだ付けには、フラックスが欠かせません。その主な役割は以下の3つです。

  • 酸化膜の除去: 金属表面の汚れを落とし、はんだが馴染む状態にします。
  • 濡れ性の向上: 溶けたはんだの表面張力を下げ、スッと広がりやすくします。
  • 再酸化の防止: 加熱中の金属をコーティングし、酸化を防ぎます。

糸はんだの中にもフラックスは含まれていますが、修正作業や酸化が進んだ基板には量が足りません。後から塗布する「ちょい足しフラックス」が、プロのような仕上がりのカギとなります。

【成分別】フラックスの選び方とスペック比較表

作業内容や、洗浄ができる環境かどうかに合わせて選びましょう。

種類酸化膜除去力洗浄残渣(汚れ)おすすめ用途
ロジン系標準推奨ベタつきあり電子工作・修理全般
(迷ったらこれ)
水溶性最強必須白い粉/腐食リスク精密基板・古い端子
(プロ・上級者向け)
無洗浄弱め不要薄い膜スイッチ・量産
(効率重視)

※無洗浄タイプでも、環境によっては洗浄が必要な場合があります(後述)。

【形状別】ボトル・ペン・注射器タイプの使い分け

成分だけでなく「容器の形状」も作業性を左右します。

ボトルタイプ(ハケ付き)

フタにマニキュアのようなハケが付いているタイプ。

  • メリット: 広範囲に塗りやすく、コストパフォーマンスが良い。
  • デメリット: 倒すとこぼれる。ハケが広がりすぎて細かい部分には不向き。
  • おすすめ: 一般的な電子工作、基板全体への塗布。

ペンタイプ

フェルトペンの中にフラックスが入っているタイプ。

  • メリット: 必要な箇所にピンポイントで塗れる。工具箱に入れてもこぼれない。
  • デメリット: ペン先が乾きやすい。広い面積には不向き。
  • おすすめ: 修正作業(リワーク)、狭い場所への「ちょい足し」。

注射器(シリンジ)タイプ

粘度の高いジェル状のフラックス。

  • メリット: 垂れにくい。部品を仮固定する接着剤代わりにもなる。
  • デメリット: 塗布量の調整に慣れが必要。
  • おすすめ: 表面実装部品(SMD)の取り付け。

特に、端子が部品の裏側にある「BGA」と呼ばれる難易度の高い部品のはんだ付けでは、このタイプのフラックスが必須となります。

▼フラックスがカギを握る!BGAの解説と実装方法はこちら

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「無洗浄」でも要注意?知っておくべきリスクと保管方法

「無洗浄=絶対安全」ではない

「無洗浄タイプ」は残渣が絶縁性を保つように設計されていますが、汚れ自体は残ります。 日本のような高温多湿な環境では、残ったフラックスが湿気を吸い、微弱な電流リークやサビの原因になることがあります。見た目の美しさや長期信頼性を求めるなら、無洗浄タイプでも洗浄を検討しましょう。

フラックスの寿命と保管

フラックスは「生もの」です。アルコール成分が揮発するとドロドロになり、性能が落ちてしまいます。

  • 使用後: すぐにフタをしっかり閉める。
  • 保管: 直射日光を避け、冷暗所に保管する。
  • 期限: 古くなって変色・粘度変化したものは使用を避ける。

【関連】ソルダペーストの「鮮度」はもっとシビア?

フラックス単体よりもさらにデリケートなのが、フラックスとはんだ粉末が混ざった「ソルダペースト」です。 こちらも適切な管理をしないと、印刷ズレや実装不良の大きな原因になります。

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失敗しないフラックスの塗り方・使い方

良い道具も使い方が9割です。正しい手順を覚えましょう。

塗りすぎはNG!「うっすら」が基本

「多いほうが効く」は間違いです。多すぎると、コテを当てた瞬間に沸騰してはんだが飛び散ったり(はんだボール)、基板がベタベタになったりします。 ランド(接合部)が湿る程度に薄く塗るのがコツです。

予熱(プレヒート)で効果最大化

いきなりはんだを溶かすのではなく、コテ先で母材(基板や部品)を一瞬温めてから、糸はんだを供給します。熱が伝わることでフラックスが活性化し、酸化膜をきれいに除去してくれます。

重要!フラックス残渣の除去と洗浄について

はんだ付け後に残る茶色い汚れや白い粉(フラックス残渣)。 これらは見た目が悪いだけでなく、放置すると吸湿してショートや腐食の原因になることがあります。

特に「水溶性フラックス」を使用した場合は、必ず洗浄が必要です。また「ロジン系」や「無洗浄」であっても、トラブルを未然に防ぐためには適切な洗浄が推奨されます。

詳しい洗浄方法・除去のコツはこちら

フラックスの種類によって、使うべき洗浄剤(IPAや水)や手順が異なります。 間違った洗い方をすると逆に汚れを広げてしまうこともあるため、正しい除去方法を知っておきましょう。

▼フラックス残渣の正しい除去手順・洗浄のコツについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

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まとめ:最適なフラックス選びで「プロ並みの仕上がり」を実現しよう

手はんだ付けの成功は、適切なフラックス選びから始まります。

  • 基本は扱いやすい**「ロジン系」**を選ぶ。
  • 作業効率を優先するなら**「無洗浄」**。
  • 古い基板には**「水溶性」**(ただし水洗いは必須)。
  • 形状は**「ボトル」「ペン」**を用途に合わせて使い分ける。

自分に合ったフラックスを見つけて、ストレスのない快適なはんだ付け作業を実現してください。

「なんとなく」の作業から卒業する

はんだ付けの品質は、フラックスの選定や温度管理といった「理屈」を知っているかどうかで決まります。 JTEXの通信講座には「はんだ付け」や「電子回路」の専門コースがあり、基礎からしっかり学べるため、自己流の作業から脱却して自信を持って仕事ができるようになります。

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この記事を書いた人

現場・生産技術・法人営業・マネジメントを経験。
机上の空論ではなく「現場で役立つ知見」を発信。
・昇格したばかりの課長としての奮闘記
・現場改善・AI活用の実践例
・人間関係・キャリアの悩みへの具体的な解決策
・介護と仕事の両立経験からのリアルなヒント

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