管理職が実践する朝の掃除|品質と信頼を生む“見えないマネジメント”

新しい工程に移ったとき、最初に感じたのは「散らかっている」「掃除が形だけになっている」という現場の現実でした。
このままでは品質は守れない──そう思い、私は管理職として毎朝30分の掃除を始めました。

最初は「課長がそんなことしなくても」と言われましたが、続けるうちに社員の行動や職場の雰囲気が少しずつ変わってきました。
この記事では、掃除がどのように職場の5S、品質、そして信頼につながっていったのか、実体験をもとにお伝えします。

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【結論】掃除は管理職にとって“見えないマネジメント”

製造業の現場において、品質や信頼を守る基盤は「環境整備」です。
特に新任管理職にとって、掃除は単なる雑務ではなく 信頼を生み出すマネジメント行為 だと私は考えています。

異動後、率先して掃除を始めたことで、職場の空気が変わり、品質や信頼にもつながる実感を得ました。

異動直後に感じた現場の問題点

新しい工程に移ったとき、まず目に入ったのは「散らかっている現場」でした。
掃除は一部の人しかしておらず、装置には埃が積もり、玄関や下駄箱まで汚れたまま。
このままでは品質は守れない──そう強く感じたのが最初の印象でした。

分類内容
5S散らかっている、掃除は一部の人しかしていない
装置上部に埃、メンテナンス不足
屑や接着剤が放置
玄関下駄箱や出入口が汚れている

散らかった工程と5S意識の低さ

移動してきたとき、最初の印象は「散らかっている」でした。
掃除は一部の人しかしておらず、形だけの5S活動に留まっていたのです。

装置メンテナンスが後回し

生産ばかりを優先するあまり、装置の上は埃まみれ、床には屑や接着剤が放置。
装置メンテナンスも行き届いていませんでした。

工場玄関・下駄箱の汚れ

工場の玄関や下駄箱も汚れたままで、職場の「顔」として恥ずかしい状態でした。
「このままでは品質は守れない」 と強い危機感を持ちました。

私が始めた毎朝30分の掃除習慣

異動後すぐに、出社1時間前に来て毎日30分の掃除を始めました。
最初は「アピールしている」と思われたかもしれませんが、5か月経った今も継続しています。

掃除の具体的な内容

場所清掃内容
消火器設置場所埃を除去し清潔を維持
洗剤・ウエス・スクレーパーで汚れを除去
工程全体ほうき・掃除機で清掃
装置上部ダスキンで埃を拭き取り

就業中でも隙間時間があれば掃除を実施。
週末の「就業10分前清掃」が形骸化していたため、私は20分前から清掃を開始し、姿で示すようにしてます。

「やれ」と言わず、行動で示すマネジメント

掃除は「やれ」と指示するだけでは浸透しません。
私は以下の工夫を意識しています👇

✅ ギリギリ出社の社員にも見えるように掃除する
✅ 夜勤者にも自然に伝わる時間に継続
✅ 強制ではなく“雰囲気で伝える”
✅ 道具を工夫して効率化する

部下からの一言と、私の答え

ある日、女性社員からこんな声をかけられました。

「課長がそんなことしないでください」

私は笑顔でこう答えました。

「自分の生活費はこの職場で稼いでいる。
だから汚いままでは働きたくない。
稼ぐ工程を綺麗にしたいし、工場見学に来たお客様にも“ここなら任せたい”と思ってほしいからね。」

掃除は 品質と信頼を守る行為 であることを改めて伝えることができました。
(この会話がみんなに伝わるように祈ってます😆)

掃除が職場に広げた良い変化

毎朝の掃除を続けるうちに、少しずつ職場にも変化が現れました。
社員が自ら整理棚や治具置き場を作り、大型設備の清掃にも取り組むようになったのです。
小さな行動が、職場全体の改善や前向きな雰囲気につながっていきました。

社員の行動改善内容
整理棚を自作段ボールのまま置かれていた消耗品を整理
治具置き場を自作工具の乱雑を解消
大型設備を掃除空調・加湿器を清潔に維持
提案材料・道具購入の改善案を出す

掃除を続けることで、社員が自ら工夫や改善を始める職場文化に変化していきました。

掃除を通じたコミュニケーションと信頼

掃除は単なる清掃ではなく、コミュニケーションの場にもなります。

  • モップがけをしていた社員に「〇〇さん、いつも助かってるよ」と声をかけた
  • 工場見学に来た部長から 「この工程は掃除が行き届いていて綺麗ですね。見習いたいです」
    と評価をいただいた

小さな掃除が、信頼関係や外部評価にもつながった瞬間でした。

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掃除の工夫と気づき

掃除を続ける中で、感じたメリットとデメリットを整理すると👇

掃除を続けるメリットデメリット
職場が綺麗になり5Sが進む自分の業務が遅れることがある
部下や外部から評価される継続する根気が必要
品質・信頼に直結「アピール」と誤解される可能性

効率化のために掃除機を導入しました。
今では「電動モップが欲しい」と思うほど、道具の工夫が継続のカギだと実感しています。

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【まとめ】掃除は小さな行動で職場文化を変える

掃除はただの雑務ではありません。小さな行動を積み重ねることで、職場の品質も、信頼も、文化も変えることができます。
今日からほんの5分でも構いません。あなた自身が率先して動くことで、職場の空気を変える一歩が始まります。

今すぐやってみよう
  • 掃除は“見えないマネジメント”
  • 品質を守る基盤
  • 信頼を築く力
  • 職場文化を育てる行動

毎日の小さな掃除の積み重ねが、品質や信頼を生み、職場文化を変えていきます。
私はこれからも、管理職として率先して掃除を続けていきたいと思います。

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この記事を書いた人

現場・生産技術・法人営業・マネジメントを経験。
机上の空論ではなく「現場で役立つ知見」を発信。
・昇格したばかりの課長としての奮闘記
・現場改善・AI活用の実践例
・人間関係・キャリアの悩みへの具体的な解決策
・介護と仕事の両立経験からのリアルなヒント

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