「言われたことはやる。でも、言われないと動かない」
そんな部下や班員に、どう接したらいいのか。そう思って検索された方に向けて書きます。
私は製造業で35年働いてきました。交代勤務のSMT(基板実装)オペレーターを8年、そのあと生産技術を通算20年(その途中に、辞令で法人営業を5年)。いまは現場に戻って課長を2年やっていて、部下約40人の評価をつける立場にいます。
そして、正直に書くと、私自身も新入社員のころは指示待ちでした。
評価する側と、指示待ちだった側。両方から書きます。
結論:上司は変えられない。できるのは「気づくきっかけ」を渡すこと
指示待ちの部下を、上司が変えることはできません。人は、自分で「変わろう」と思わないと変わらないからです。上司にできるのは、本人が気づくきっかけを、面談や日々の声かけで渡すことです。
「指示待ち 部下」と調べると、指示待ちになる原因や、主体性を引き出す方法がたくさん出てきます。
どれも間違いではないと思います。ただ、私が部下を見ていて思うのは、人は自分で思わないと変わらないということです。
だから私は、フィードバック面談で話したり、促したりしています。変わるのは本人です。でも、きっかけはこちらから渡せます。
評価する側から見た「指示待ち」
部下を評価している立場として、はっきり書きます。頑張っているのに評価が上がりにくい人として、私が思い浮かべるのは、指示を待っている人、言われたことしかしない人です。
言われたことをきちんとやるのは、大事なことです。それでも、私が評価で見ている「積極性(言われる前に自分から動く)」が見えにくくなる、と私は見ています。
評価のつけ方や、評価に乗りにくい理由は、「評価されない仕事」の正体|部下約40人を評価する課長の本音にくわしく書いています。
指示待ちの部下に、私が面談でしていること
面談では、淡々と事実を伝える
評価面談で私が気をつけているのは、淡々と事実を伝えて、議論しないことです。評価のもとになっているのは事実で、感情論ではないからです。
たとえば、「ここは言われてから対応した」「ここは自分から動けていた」と、起きたことをそのまま伝える、というような伝え方です。
指示待ちを責めると、相手は身構えることが多いと思います。事実を伝えるのは、言い合いにしないためでもあります。
伝えるのは「その改善が、次の改善につながる」こと
事実を伝えたあとに話すのは、成長のヒントです。
私が伝えるのは、「こうすると、この改善で、いろんな選択肢ができる」ということです。
ひとつの改善は、そこで終わりではありません。その改善が、ほかの改善につながっていきます。それが成長していくことだと、私は考えています。
「指示を待つな」と言うより、自分から一つ動くと、その先に何がつながっていくのかを伝える。そういうイメージです。
若い人で、変わった人もいます
全員が変わるわけではありません。それでも、若い人で、変わった人はいます。
その人にも、同じことを伝えました。
変わったのは、本人の中で何かが変わったからだと思っています。私がしたのは、きっかけを渡したことだけです。
数年言っても変わらない人もいる
正直に書きます。
私は、今の時代、変化に対応できない会社は淘汰されると考えています。現状維持は後退です。世間は前に進んでいるからです。
そのなかで、ある程度、数年言っても変わらない人もいます。そのときは、「しょうがない」と考えます。その人は、周りが動いていくなかで、置いていかれることになります。
だからこそ、指示待ちの部下には、できるだけ早く気づいてほしいと思っています。
近い人の出世で気づく人が多い
近い人間が出世したりしないと、気がつかない人が多い、というのが私の見方です。
面談で伝えることと、本人が気づくことは、別のものだと思っています。
私も、新入社員のころは指示待ちでした
「言われていないから、やらなくて良いよ」
偉そうに書いてきましたが、私も新入社員のころは指示待ちでした。交代勤務でSMTのラインに入っていたころです(交代勤務のことは三交代はやめとけ?8年やった課長が答える「何歳まで」に書いています)。
一緒に交代勤務していた人が、「追加で気がついても、言われていないからやらなくて良いよ」という考えの人で、私にもそう言ってきました。
新入社員のころの私が指示待ちだったのは、それが理由です。
新人教育で私がしていることは、新人教育がしんどい・丸投げされたときの考え方に書いています。
きっかけは、改善提案で褒められたこと
動くようになったきっかけは、若手のころ、毎月出していた改善提案の内容で、上司から褒められたことでした。
それから、気がついたら、自分からやるようになっていました。
部下の小さな一歩を褒めています
いま私は、部下の小さな行動や改善提案を褒めています。アドバイスも、できることはしています。
部下が出してきた提案を、上司がすぐ否定してしまうと、次から出てこなくなります。この話は部下の提案を否定しないに書いています。
明日からやること
私がやっていることを、3つにまとめます。
- 面談では、事実を淡々と伝える(議論しない)
- その改善が、ほかの改善につながる。それが成長だと伝える
- 部下の小さな行動や改善提案を褒め、できるアドバイスをする
「指示待ち人間」と言われて悩んでいる方へ
この記事は上司に向けて書きましたが、「自分は指示待ち人間かもしれない」と思って読んでいる方もいると思います。
私もそうだったので、ひと言だけ書かせてください。
私が指示待ちだったのは、周りから「言われていないから、やらなくて良いよ」と言われていたからでした。指示待ちになるのは、周りの影響もあると思います。ただ、評価する側になって分かったのは、言われたことだけをやっていると、頑張っていても評価は上がりにくいということです。
言われたことをきちんとやっていれば、今のままでいられる、と思うかもしれません。でも私は、現状維持は後退だと考えています。周りが前に進んでいるからです。
最初の一歩は、小さくていいと思います。私の場合は、毎月の改善提案でした。
「頑張っているのに評価されない」と感じている方は評価されない仕事の3つの理由に、昇格試験でつまずいた方は昇格試験に落ちた40代へ|推薦する側の課長が見ていた本当の理由3つに書いています。
上司が抱え込まないために
変えられないことで、自分を責めない
指示待ちの部下が変わらないと、「自分の育て方が悪いのか」と悩む上司の方もいると思います。
私は「原因自分論」という考え方を大事にしていて、自分が変えられること(伝え方・面談・褒め方)に集中するようにしています。部下が変わるかどうかは、そこには入りません。
やる気そのものが見えない部下への接し方は部下のやる気がない|態度で分かる部下に、現場課長がしていることに、指示待ちとは別の「自分はできると思い込んでいる部下」のことは仕事ができない部下への対応|見切る前に確認すべき3タイプに書いています。
班長・係長の方へ
班長や係長は、教えながら生産も回さなければなりません。指示待ちの班員がいると、そのぶん自分が動くことになり、余計にきつく感じると思います。
班長のきつさについては、工場の班長はきつい?2回やって、いま班長を任せる課長の本音に書いています。
まとめ
- 指示待ちの部下を、上司が変えることはできない。人は自分で思わないと変わらない
- 評価する側から見ると、指示待ち・言われたことだけでは、頑張っていても評価は上がりにくい
- 面談では淡々と事実を伝え、議論しない。そのうえで「その改善が次の改善につながる=成長」と伝える
- 数年言っても変わらない人もいる。そのときは「しょうがない」と考える
- 私も新入社員のころは指示待ちだった。動くようになったきっかけは、改善提案で上司に褒められたこと。いま私は、部下の小さな一歩を褒めている
指示待ちの部下も、きっかけがあれば変わることがあります。私自身がそうでした。

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